こんにちは。兵庫県宝塚市「宝塚南口駅」より徒歩0分の宝南ショップス2階にある宝塚歯医者 矯正歯科・こども歯科 LDC宝塚南口駅前院です。
口を開けるとカクカクと音がする、口を開きにくいという方は、顎関節症の可能性があります。軽度の顎関節症で日常生活にさほど影響が出ていないという場合は放置する方も多いですが、放置するとさまざまなリスクが生じます。
本記事では、顎関節症はどういった状態なのか、どんな治療法があるのかについて詳しく解説します。口を開いたときにさまざまな症状が出て悩んでいるという方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
顎関節症とは?
顎関節とは、顎の関節を構成する骨・筋肉・関節円板・靭帯などの異常によって引き起こされる諸々の症状の総称です。
10代後半から患者数が増加し始め20~30代がピークとなり、その後年齢の増加に伴い患者数は減少していきます。男性よりも女性が多い点が特徴です。
顎関節症の症状や原因は、次の通りです。
顎関節症の症状
顎関節症の主症状は、顎の傷み、口が開かない、あごを動かすと音がするという3つです。顎の痛みはさらに2種類に分類されます。
1つは顎関節痛といい、顎関節を構成する組織のいずれかに炎症が起こったことで生じるもので、顎を動かすと刺激になり痛みが強く出ます。もう1つは咀嚼筋痛と言い、顎を動かす時に使う筋肉の使い過ぎによって起こるものです。
顎の筋肉の筋肉痛と表現されることもあります。一般的な筋肉痛と同様に筋肉を使うと痛みが出る為、顎を動かすと痛みが出ます。顎の筋肉は、顎から耳、こめかみまで通っているので、耳が痛い、頭痛がすると感じることもあるでしょう。
口が開かないという状態は開口障害と呼ばれます。健康な人の場合、人差し指から薬指まで3本を縦にして口に入れることができます。この時、口は40mmほど開きますが、40mmを下回った場合には開口障害と診断されます。開口障害と痛みで顎関節症を疑う方が多いです。
顎を動かすと音がすることを、顎関節雑音と言います。口を開けた時にカクカクと音がなる場合や、顎のみを前に出したり横にずらしたりするとカックンという単発音がする場合が該当します。
顎関節症の原因
顎関節症の原因は1つではありません。最も一般的な原因は、口周りの癖とされています。例えば、歯ぎしりや食いしばりなど、咀嚼や会話など口や歯の機能に無関係なのに行ってしまう行為です。
特に、日中や睡眠中の食いしばりは顎関節症における痛みの症状に大きく影響しているといわれています。他にも、以下が原因として考えられています。
- 転倒、交通事故などで口元に衝撃を受けた
- 上下の歯列を合わせる癖がある
- 頬杖をつく癖がある
- 爪や唇を噛む癖がある
- スポーツの際に人と接触した
- 吹奏楽器の演奏
- ストレスや緊張、不安
ただし、これらの要因が複合的に合わされば必ず顎関節症を引き起こすというわけではありません。顎関節の強さには個体差があるため、同じ動作を同じ回数行っていても、顎関節症になる人とならない人がいます。
顎関節症を放置するリスク
顎関節症は命に直接影響しないこともあり、痛みが無い場合や日常生活で特に不便と感じない場合には、放置する人がほとんどであると考えられています。
特に、症状が関節雑音だけの場合は治療の必要はないとされているため、病院を受診しても様子見と言われた方もいるかもしれません。様子見と言われ、関節雑音以外の症状も出始めているのに放置しているという方もいるのではないでしょうか。
顎関節症の症状のうち、咀嚼筋痛は筋肉痛と似ているため放置すると痛みが消失するケースもあります。
しかし、また痛みが出現して常態化することもあります。放置していたら治ったという方もいるようですが、基本的に放置していて完治するケースはほとんどありません。
顎関節症を放置するとリスクは、以下のとおりです。
症状が悪化する
今出ている症状がどんどん悪化する可能性が考えられます。最初は日常生活に支障をきたさない程度の痛みでも、悪化することがあるのです。
痛くて口を開けられない、開口障害によって大きい食べ物や硬い食べ物が食べられなくなるなど、さまざまな問題が生じるリスクがあります。
噛み合わせが悪くなる
顎関節症を放置すると、噛み合わせに影響が出ると考えられています。もともと噛み合わせが悪かったものが悪化するケースだけでなく、痛む顎をかばって咀嚼し続けた結果、顎の位置がずれて噛み合わせが悪くなるというケースもあります。
全身に影響が出る
顎関節症は、全身状態にも影響を及ぼします。顎関節症によって起こり得る体の症状は、次の通りです。
- 頭痛
- 目や鼻、耳の痛み
- 腰痛や肩凝り
- 手足の痺れ
- 眩暈
頭痛や眩暈が続けば、日常生活に支障をきたすでしょう。顎関節症は放置せず、早期に治療するのが理想です。
顎関節症はどのように治療する?
全人口の7~8割は顎関節に何らかのトラブルを抱えているとされています。
しかし、実際に医療機関を受診して治療を受けているのは7~8%程度と言われています。放置しても完治は見込めず悪化する可能性が高いため、なるべく治療を受けるのが望ましいでしょう。
顎関節症の治療は、症状や原因に合わせて以下のように行います。
マウスピースの装着
歯ぎしりや食いしばりが顎関節症の原因となっている場合には、マウスピースを装着して顎関節への負担を軽減させます。とくに、就寝中は覚醒中のように意識して食いしばりや歯ぎしりを止められないので、就寝時には必ずマウスピースをつけるようにします。
対処療法
特に、痛みに対してアプローチをします。最も多いのが、安静と負荷の軽減です。硬い物を噛まないようにしたり、痛みがある部分での咀嚼をしばらく控えてもらったりします。
また、大きく口を開くことも禁止し、顎の筋肉を休ませることも必要です。それでも強い痛みが続く場合には、非ステロイド系消炎鎮痛薬が処方されたり、筋肉のストレッチの方法が指導されたりします。
他にも、精神的な影響が痛みに関わっていると判断された場合には、ストレスや不安を軽減するためにアプローチします。
セルフケア指導
顎関節症は、投薬や処置によってすぐに症状を劇的に改善することはできません。セルフケアを継続することで、長くても数か月~半年かけて9割の人が治ると考えられています。そのため、近年は病院でもセルフケア指導がメインに行われる傾向にあります。
セルフケア指導の内容は、主に日中の歯ぎしりや食いしばりをしないように意識して過ごせるように促すものです。具体的には、歯ぎしりや食いしばりをしないためにはどうすればいいのかを患者さまと考え、実施できるようにします。
他にも、ストレッチやホットパック、マッサージの方法を伝えるケースもあります。自分で毎日行えることを目的に、患者さまが理解・習得できるまで指導します。
痛みの程度や内容、顎関節症になる原因などでセルフケア指導の内容は変わるため、自己判断では行わず必ず歯科医院を受診して歯科医師に指導してもらいましょう。自己判断で行った場合、症状が悪化するかもしれません。顎関節症ではない可能性もあるため避けましょう。
まとめ
顎関節症は、痛み、開口障害、顎関節雑音を主症状とする状態です。痛みや開口障害がなければ日常生活に大きな影響はなく、ほとんどの人が放置していると考えられています。
しかし、顎関節症を放置すると、顎だけでなく頭痛、眩暈など全身状態にさまざまな影響を及ぼすことが考えられます。放置せずに治療を受けることが望ましいでしょう。
顎関節症の治療において、直接的に処置をしたり投薬をしたりするケースは少なく、主に対処療法やセルフケアの指導をメインに行います。すぐには実感できないかもしれませんが、コツコツセルフケアをしていれば9割の人が改善すると言われています。
顎関節症と思われる症状があると悩まれている方は、ぜひ医療機関を受診して相談してみてください。長年にわたる顎の傷みの悩みを解消できるかもしれません。
顎関節症の治療を検討されている方は、兵庫県宝塚市「宝塚南口駅」より徒歩0分の宝南ショップス2階にある宝塚歯医者 矯正歯科・こども歯科 LDC宝塚南口駅前院にお気軽にご相談ください。