インビザライン矯正中はマウスピースを長時間装着します。そのため口臭が気になるとお悩みの方も多いと思います。
本記事では、マウスピース矯正中に口臭が発生する原因について解説しています。
口臭を放置した場合のリスクや口臭を予防する方法についても説明していますので、マウスピース矯正中の口臭でお悩みの方はぜひご参考にしてください。
マウスピース矯正中に口臭が発生する原因
マウスピース矯正中はさまざまな原因によって口臭が発生することがあります。主に考えられる原因は以下の5つです。
- マウスピースの洗浄が不十分
- マウスピースに傷がある
- 口腔ケアが徹底できていない
- 喫煙による悪影響
- 唾液の自浄作用が働いていない
それぞれの原因を詳しく解説します。
マウスピースの洗浄が不十分
マウスピースを装着する前には、毎回歯磨きとマウスピースの洗浄をします。なぜなら洗浄を怠ると、細菌が口の中で繁殖し、口臭や虫歯、歯周病の原因となるからです。
マウスピース矯正では、飲食のたびにマウスピースを取り外す必要があります。再度装着するときには、指の腹や柔らかい歯ブラシで優しく擦りながらマウスピースを洗浄するようにしましょう。
また、定期的に専用の洗浄剤を使用することでマウスピースをより清潔に保てます。
マウスピースに傷がある
マウスピースに傷があると、傷部分に細菌や汚れが入り込みやすくなるため、口臭の原因になります。研磨剤が含まれた歯磨き粉などでマウスピースを磨くと、傷になる可能性があるのです。
普段のマウスピースの洗浄は流水下で優しく擦る程度にしてください。洗浄剤を使用するときは専用のものを使いましょう。
口腔ケアが徹底できていない
マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べて、装置を外せるために口腔ケアを行いやすいといえます。
しかし、口腔ケアが不十分だと、長時間マウスピースの中で細菌が繁殖することになります。その結果、口臭や虫歯、歯周病の原因となりやすいのです。
マウスピースを装着する前には歯磨きを徹底して行い、特に歯と歯の間のプラークは歯ブラシだけでは除去しにくいため、デンタルフロスや歯間ブラシを使用したほうがよいでしょう。
喫煙による悪影響
喫煙中の煙によって口の中は乾燥しやすくなります。口の中の乾燥は、口内細菌の活発化や細菌の繁殖を促すため口臭が発生しやすくなるのです。
また、ヤニの成分であるタールには独特の臭いを放つ特徴があります。そして、タールが歯の表面に沈着すると、その上に汚れが付着しやすくなり口臭の原因菌が増殖する可能性も高まります。
唾液の自浄作用が働いていない
唾液には、自浄作用という食べかすなどの汚れを洗い流してくれる作用があります。
しかし、唾液の分泌量が少なかったり、口呼吸などで口の中が乾きやすかったりすると唾液の自浄作用を十分に得られません。
また、マウスピース矯正は、マウスピースで歯が覆われているため、マウスピースの中まで十分に唾液が行き届きにくくなるのです。
その結果、歯に付着した汚れが洗い流されずに停滞し口臭の原因となることがあります。
マウスピース矯正中の口臭を放置するとどうなる?
マウスピース矯正中の口臭は、口内細菌が繁殖することが原因であることがわかりました。
口臭は不快な臭いを発生させるだけでなく、さまざまなリスクも伴います。マウスピース矯正中の口臭を放置するリスクについても解説します。
計画通りに治療が進まない
細菌の繁殖によって、虫歯や歯周病リスクが高まります。すると計画通りに矯正治療を進められない可能性も。虫歯や歯周病の治療を行うことで、矯正治療を中断するケースもあるからです。
虫歯治療によって歯の形が変わってしまえば、マウスピースが入らなくなることもあるでしょう。そうなると、再度マウスピースを作り直さなければならなくなり、歯列矯正の治療期間が延びる原因にもなるのです。
虫歯や歯周病になるリスクがある
細菌が繁殖することによって虫歯や歯周病になる可能性も高まります。マウスピースと口の中のどちらも清潔に保つことで虫歯や歯周病は予防できます。
丁寧な歯磨きと適切なマウスピースの洗浄を行い、細菌の繁殖を抑えるようにしましょう。
口内炎などの炎症が発生することがある
細菌が繁殖することは、虫歯や歯周病だけでなく、口内炎などのトラブルを引き起こす原因にもなります。
口内炎の中でも特に発生しやすいのが、潰瘍ができ痛みを伴うアフタ性口内炎です。アフタ性口内炎は、免疫力が低下しているときに細菌感染を起こすことで歯茎などの粘膜部分に発生しやすくなります。
マウスピース矯正中の口臭対策
マウスピース矯正中の主な口臭予防対策は以下のとおりです。
- 食事中はマウスピースを外す
- ブラッシングを丁寧にする
- 歯間ブラシやデンタルフロスを使用する
- 唾液の分泌を促す
- マウスピースを清潔に保管する
- 歯のクリーニングを受ける
- こまめに水分を摂る
食事中はマウスピースを外す
飲食をする際には、必ずマウスピースを外してください。マウスピースを装着したまま食事をすると、食べかすなどが口の中に残り、口臭を招きます。
また、口臭以外にも虫歯や歯周病を発症しやすくなったり、マウスピースが破損したりする原因にもなるのです。
熱いものを食べたり飲んだりするとマウスピースが変形する恐れもあります。マウスピース装着中に口にできるものは水だけと考えておきましょう。
ブラッシングを丁寧にする
磨き残しから細菌が繁殖して口臭を引き起こしやすくなるため、ブラッシングを徹底して行いましょう。
マウスピース矯正は飲食前に装置を外し、再び装着する前に歯磨きを行わなければなりません。そのため、飲食の回数が多いほどブラッシングの回数も増えます。
ただし、外食時など歯磨きができないケースもあるでしょう。その場合は、うがいをすることがおすすめ。うがいをするだけでも、ある程度の食べかすや汚れを洗い流せるため口臭の発生を防げます。
口臭予防効果や殺菌作用があるマウスウォッシュ(洗口液)を使用するとより効果的でしょう。
歯間ブラシやデンタルフロスを使用する
歯と歯の間の汚れは歯ブラシだけでは十分に除去できません。そのため、歯間ブラシやデンタルフロスも併用しながら口腔ケアを行うのがおすすめです。細かな汚れまで除去でき、口臭予防もできます。
歯ブラシだけで口腔ケアを行った場合の歯垢除去率は58%といわれています。つまり、4割程度の磨き残しが発生するということ。
一方で歯ブラシに加えて歯間ブラシやデンタルフロスも用いて口腔ケアを行った場合の歯垢除去率は、約90%であることがわかっています。
歯間ブラシのサイズや、デンタルフロスの使い方がわからない場合は、歯科医院でもブラッシング指導を受けられます。診療を受けた際に歯科医師や歯科衛生士に相談してみるといいでしょう。
唾液の分泌を促す
唾液は自浄作用や殺菌作用が期待できるため口臭予防になります。唾液の分泌を促すためには、よく噛むことが大切です。
そのほかにも唾液腺マッサージを行う方法もあります。唾液腺には、耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つの種類があり、マッサージを行ってそれぞれの唾液腺に刺激を与えると唾液が分泌されます。
口の中が乾燥しやすいドライマウスの方は、口臭だけでなく、口の中が傷ついたり食べ物をうまく飲み込めなかったりなどのトラブルが発生しやすいといえます。積極的に唾液腺マッサージをするといいでしょう。
マウスピースを清潔に保管する
口腔内だけでなくマウスピースも清潔に維持することが大切です。
マウスピースを外して保管するときは、丁寧に洗浄した後、しっかりと乾燥させてから専用のケースに入れてください。
乾燥が不十分だと、細菌が繁殖しやすくなります。細菌が繁殖したマウスピースを装着すると、口臭の原因となるため注意が必要です。
また、暑い場所に保管しているとマウスピースが変形する恐れがあります。ティッシュに包んだままだと誤って捨てるなど紛失の可能性もあるでしょう。マウスピースを保管する容器、場所も今一度確認しておいてください。
歯のクリーニングを受ける
自宅でセルフケアを頑張っていても、完璧に細かな汚れまで除去するのは難しいものです。そのため、定期的に歯科医院でのクリーニングも受けるようにしましょう。
歯科医院でのクリーニングは、専用の機械や器具を使用して歯周ポケットの周りまでアプローチします。
歯ブラシでは届きにくい部分の汚れや歯石も除去できるため、細菌の増殖を抑えて口臭を予防する効果が期待できます。
お口全体の状態をチェックしてもらえるため、トラブルを早期に発見できるというメリットもあります。
クリーニングを受ける間隔は、お口の状態や清掃状態によって異なりますので、歯科医院で通院頻度を確認するといいでしょう。
こまめに水分を摂る
口の中は乾燥すると細菌が繁殖し、口臭が発生しやすくなります。マウスピースを長時間装着すると、唾液がマウスピースの内側まで行き届きにくくなるため、口臭が気になる方が多いようです。
水であればマウスピースを装着したまま飲めますので、こまめに水分補給をして口腔内を潤わせましょう。
マウスピース矯正中の口臭に関するよくある質問
ここでは、マウスピース矯正中の口臭に関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
マウスピースが臭いときに重曹を使ってもいい?
マウスピースの洗浄に重曹を使用するのはおすすめできません。なぜなら重曹には研磨作用があるため、マウスピースが傷つく可能性があるからです。
マウスピースが傷つくと、傷部分に汚れや細菌が入り込みやすく、細菌が繁殖する原因にもなります。洗浄剤は専用のものを使用しましょう。
マウスピースを装着すると寝起きの口臭が強いのはなぜ?
起床時に口臭を強く感じるのは、就寝時は唾液の分泌が少なくなるからです。マウスピースを装着することでより口の中が乾燥しやすい状態となり、唾液の自浄作用が働かずに細菌が繁殖することになります。
細菌の繁殖を抑えるためには、寝る前の歯磨きを丁寧に行い、口の中を清潔な状態にしておくことが大切です。
まとめ
マウスピース矯正中に細菌が繁殖しやすい環境になることで、口臭が発生しやすくなります。口臭だけでなく、虫歯や歯周病、口内炎などのトラブルを発症する原因にもなるため注意が必要です。
口臭を予防するためには、口の中もマウスピースも清潔に保ちましょう。
- 歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも併用する
- 食事中はマウスピースを外す
- 歯のクリーニングを受ける
以上のようなことに気をつけながら、歯科医師の指示どおりに手入れを行うようにしてください。
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